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    盆栽の根

    花期が3月の為、5年植え替えタイミングを逃していた土佐水木の根。
    調子を崩していたが、細根がびっしり。

    盆栽 根

    盆栽は主に硬質赤玉土を使用して植え付ける為、基本を忠実に植え替えを行うと根が詰まっていても崩れずに粒のまま残る事が多いです。

    小品盆栽の場合、鉢の底から中粒、小粒、細粒と分けることで、鉢の中の団粒構造効果を高め、水と空気を抜け易くすることできます。

    盆栽に限らず、小さな鉢で樹木を育てる場合は硬質土を使用し、微塵を必ず除去する事が大切です。

    反対に水はけが悪く根腐れしている場合は細根はほとんど無く、太い根がわずかに残るのみとなり、樹勢が著しく落ちるので、水はけが悪いと気付いたときは時期に関係なくすぐに植え替えする事をオススメします。

     

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    針金掛け

    お客様からのご依頼で黒松の針金掛け

    盆栽 黒松
    整姿後

    盆栽 黒松
    整姿前

    針金掛けの作業自体は2、3時間ですが、その前の樹を眺めている時間は数倍必要だったりします。

    この樹は比較的、これまでの育ち方やこれからの方向性が見えやすく、前日から近くに置いてなんとなく眺めてイメージを膨らませましたが、なかには眺めるだけで一日が終わる樹もあったりです。

     

    針金掛けは樹にとってはストレスになる為、掛ける時は一度で決め、何度も曲げ直したりしなくて済むようにすることが、樹に対する礼儀であり、その後の枝枯れ予防にもつながります。

     

    針金掛け自体は人のエゴという事実はいつの心にあり、そのせいで調子を崩すのは論外。
    生き物を扱うことの責任感を忘れたら盆栽はできないですね。

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    植え替え

    春の植え替えもあと少しで終わりそう。

    ほんとこの季節は盆栽が一番忙しく、重要な期間。

     

    黒松盆栽 懸崖

    この黒松は手に入れた時から懸崖で作ろうと思っており、タイミングよく鉢が手に入ったので早速、植え替え。

     

    鉢は深くなっていますが、幅が狭くなった分、根を半分以上剪定しています。
    針金掛けは秋までしっかりと樹勢を回復させてからです。

    これからの管理次第で良くも悪くもなるのが盆栽だから、夏にしっかりと芽切りが出来るまで回復させて、10月下旬には出揃った短い葉があれば完璧です。

     

    深い鉢は根止めがすごく大変ですが、盆栽にとって要の作業なので手は抜いていません。
    鉢底から2.5㎜の長い針金を通して固定しています。

     

    用土は重くなる事と水はけを考えて、底から10㎝以上は軽石と赤玉大粒を入れています。
    通常、浅鉢よりも深鉢の方が排水は良いのであまり気にする必要はないのですが、不必要に土を入れて重い盆栽になる事を避けています。

     

    黒松盆栽

    元はこんな感じ。葉透かしだけした状態。
    これはこれで悪くはない。

     

    黒松としては細幹ですが、鉢が幹の細さを補っており、一体として鑑賞したときには鉢の力強さや重さと黒松の葉の硬さや幹の荒れ方がバランスよくなると信じています。

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    盆栽 蝦夷松

    ここ最近、針金掛けが続いている。

    松柏類の針金掛けは冬季に行う事が多く、春の植え替え前までに出来る限り終わらせておくと後が楽です。

    蝦夷松盆栽

    この蝦夷松は入手して大体五年位経っていて、これが3度目の針金掛け。

    だいぶ形が出来てきたので、今回は今後の成長を考えて、きっちりと枝の配置を決める事にしました。

    前回までの2回は荒掛けと言って、大まかに形の方向性を矯正するだけでしたが、今回は全ての枝の全ての芽まで確認しながら、剪定と針金掛けを行いました。

     

    蝦夷松は芽吹きが旺盛で放っておくと枝先が混み合うので、剪定で不要な芽や枝を整理しておくと、今年、来年と成長しても綺麗に枝を作って行く事が出来ます。また、その成長の方向と程度も考慮しながら枝の棚を作って行きます。

    今回はどこから見てもきっちり作りたかったので、結局、12時間近くも掛かってしまったのですが、盆栽と集中して向き合っている時間は贅沢はひと時です。

     

    こんな風に何十年も人から人へと、受け継ぎながら作り続けていくのが盆栽の面白い所ですね。自分だけでは完成しなくても、誰かの手に受け継がれる様な、受け継ぎたくなる盆栽を創れるように日々精進に励むのみです。

     

    蝦夷松 盆栽

    2度目の針金を外して半年経った状態。

    一年半は掛けたままにしていたのですが、上に戻る力が強く、また形が乱れました。

     

    今度は二年は掛けておく事になると思います。

    もちろん、針金が枝に食い込んできた箇所はその都度外していきます。

     

    蝦夷松:手入れ前

    最初の状態

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    舎利と神

    盆栽で松に劣らぬ人気があるのが、真柏です。

    真柏の一番の魅力は何といっても枯れて白骨化した様に見えるシャリとジンです。

     

    シャリは「舎利」と書きますが、おそらく仏舎利が由来と思われます。

    ジンは「神」です。

     

    舎利は幹の部分を指し、神は枝を指します。

     

    真柏は正式には深山柏槇の事を指し、深い山の岩場や崖などに自生しています。

    その為、風雪や雪崩などで枝が折れたり、樹皮が削り取られたりしながらも必死に生きています。

    その厳しい環境で生育する事により、成長が遅くなり、結果年輪が細かく、硬い木質となります。

     

    木質部が硬い為に枯れ枝が朽ちずに残ります。

    その自然の姿を盆栽で再現しているのが舎利や神なのです。

    糸魚川真柏 盆栽

    真柏の中でも、細かい葉性と鮮やかな緑の葉と持つ新潟の糸魚川真柏は大変人気があります。

    その他には紀州真柏や東北真柏などがあります。

     

    厳密に違いますが、よく生垣に使われているカイズカイブキも大まかにはシンパクの仲間です。

     

    真柏 舎利

    舎利や神はシンパクだけでなく、松や一位などでもよく見られます。

    盆栽界では松や真柏、ヒノキや杉、杜松や一位などの裸子植物の針葉樹の事を松柏盆栽と呼びます。