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石化とは
植物には石化という現象があります。(似たもので帯化という現象もあります)
茎や枝の成長点で異常が生じることで現れる奇形の一種です。
葉が堅く密集して付くのが特徴で、草花や多肉植物などでも良く見られます。
厳密には違いますが、八ッ房性と似ていますね。これは盆栽でもたまに見かけます。
石化ヒノキです。
石化性は葉が小さく、成長も遅いのでミニ盆栽には仕立て易い樹種です。石化ヒノキの葉
通常のヒノキの葉
盆栽では樹形を作り込む事に重点がおかれますので、通常のヒノキを好む傾向があり、園芸の世界では石化などの奇形植物は貴重なものとして珍重される傾向があります。
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オブジェのような
流木にいろいろな植物を着生させているのですが、夏を過ぎるとハッキリと着生が進行しているのが分かります。
流木にも色々と種類があって、川や海で拾ってくるのも有りなんですが、八百日としてはオブジェのように飾れるものを作りたいので、木の劣化が少しでも遅い流木を使う様にしています。
写真はモパニウッドと呼ばれる非常に硬く水などで腐食し難い流木です。聞いた話だとアフリカなどの砂漠に埋もれていたものだそうです。硬い木質だけが残る事で独特の質感が生まれています。
これは流木だけでも鑑賞可能なほど魅力的なんですが、シダを着生させる事でさらにモパニウッドの可能性を引き出せたかなと感じています。
シダは日々成長していきますので状態は刻々と変わります。
時間と共に創り上げていくのは盆栽と同じですが、シダはより自然に任せる感じですね。流木をオブジェのように飾るのは視覚的な面白さもありますが、シダの動きがより自由に上下左右に伸びる事が出来るようになるのが利点ですね。(床などに接地していないからです)
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クコの花
クコの花です。
ナス科だけあってナスのような花が咲いています。
花はこのあと赤い実になります。
杏仁豆腐にのっているあれです。
クコは芽吹きが旺盛で次々と枝が出るので、放っておくと全体が枝に覆われて株立ち状になってしまいます。その為、必要な芽以外は欠き取っていきます。
盆栽としては枝を作り込むよりは、ふんわりと密生させた枝に実を付けていく感じになるかと思います。
幹自体はあまり太くならないので盆栽では2~3本を合わせて作っている事が多いです。
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赤松 苗から盆栽へ
盆栽の一番の楽しみは何といっても、樹を作って行く事にあります。
これは針金掛けなどの整姿、改作ばかりでなく、鉢の中で持ち込んで毎年、年輪を重ねていく事そのものの魅力です。
毎日世話をして手を掛けて、少しずつ自分好みの樹になっていく達成感は盆栽ならではの喜びではないでしょうか。盆栽を大切に育て作ってきた人達だけが味わえるご褒美のようなものですね。
数年間、場合によっては数十年手塩に掛けて作り込める(作り込みたいと思える)樹に出会えたらそれだけで一生の財産だと感じます。
4年くらい前の赤松苗木の状態
4本のうち3本を使って寄せて作り始めました。
現在の状態です。
少しは盆栽らしくなって来たのではないでしょうか。
まだまだ若木ではありますが、少しづつ幹肌も荒れ始め、枝数も増えてきました。
どんな樹でも愛情と時間と確かな技術があれば良くなって行くものです。
技術は盆栽に対する愛情があれば自然と向上していくはずです。きっと。 -
イチョウ 黄葉
もう黄葉している。
実生3年くらいだけど立派に色付いている。
これももちろん銀杏(ギンナン)を植えて生えてきている。
ちなみにイチョウは松などと同じ裸子植物の仲間です。
そこら中で街路樹として植えられていますが、
小さい鉢に植えるのも、これはこれでかわいいものですね。