how-to
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もちこみ(持ち込み) 「姫砥草」
盆栽の用語で同じ鉢で植え替えをしないで長く育てることを指す「持ち込み」という言葉があります。
もしくは鉢上げしてからの年数を指す場合もあります。持ち込む事によって、大きい葉も小さくなり、草姿も小さくなってきます。
これは盆栽では非常に重要な性質である為、園芸のように大きめの鉢ではなく比較的小さい鉢に植える理由の一つです。
鉢の中に根が回り、いっぱいになると盛り上がるように鉢の上に出てくることもあります。
盆栽の種類にもよりますが、盛り上がったり、鉢からこぼれるといった状態もなかなか風情があるものです。根が回ったら、鉢から抜いて水盤などに飾る事もできます。
そうする事で苔が生していき、自然とコケ玉の様になります。
「根洗い」と呼ばれるコケ玉のもととなる飾り方、培養の仕方ですね。個人的な感覚としては、樹よりも、草物の方が持ち込む事で趣が出やすいと思います。

これは姫砥草ですが、まだ3年。
この鉢のままずっと管理可能で、どんどん上へ盛り上がってきます。
製作途中の樹はあまり長く持ち込みすぎると完成までに時間が掛かりますし、針金掛けなど改作による負担を補うだけの体力も付きにくいので、定期的にしっかりと植え替えした方がいいと思います
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影で考える
盆栽の針金掛けをする際に、色々な見方をしながら掛けていくと面白いです。
はじめに全体像を見ながら形のイメージを作っていきます。
全体と細部を交互に見たり、近づいて見たり、離れて見たりしながら針金を掛けていく訳ですが、同じ樹を何時間も眺めていると感覚がマヒしてくることが多々あります。
その場合は背景の影をぼんやりと眺めるとよく行く事が多いです。
影は平面的に見えるので、直接見るのとは違った目線で考える事ができます。

また、枝葉に行きがちな意識を空間に向け易くなります。
盆栽の良し悪しは葉と空間のバランスが重要ですので、影を見たり、一度写真に撮って確認すると問題点に気づき易くなります。
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盆栽の針金掛け ビナンカズラ
久しぶりに針金かけました。
美男葛です。
ツル植物は針金掛け自体は非常に簡単にできるのですが、形が付くまでには結構な時間が掛かります。
場合によっては、針金が食い込んでもいても外すと動く事もあるので、何度か掛ける必要があります。
そういう面ではモミジなどは針金掛けの際に枝が折れやすいですが、形はすぐ付くのでいいですね。

元はこんな感じ↓

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草物の手入れ

芽がぎっしり!風知草の芽です。
草物は冬に葉が枯れるものが多いのですが、枯れ葉は春までにきれいに刈り取ります。
大体は枯れたらすぐに刈ってしまいます。
理由は、置き場をすっきりと日当たりも良くさせる為と枯れ葉の中で虫などが越冬しないようにする為です。
草の種類によっては芽の保護の為、春間際まで葉を付けたままにしておき、今くらいの時期に刈る場合もあります。
風知草は残す方が良いかもしれませんね。
芽の保護の為でもありますが、枯れ葉の姿もなかなか風情があります。
冬のさみしさと春への期待を感じさせてくれます。

これは夏場の姿です。
年々葉が密になり、短く締まった葉姿になっています。
今年はもっと良くなります。楽しみです。
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冬季の消毒
先日、盆栽の冬季作業で幹洗いについて書きましたが、今日は消毒についてです。
盆栽の消毒は春から秋に掛けて定期的に行いますが、寒い冬にしかできない消毒の方法があります。
それは石灰硫黄合剤による消毒です。
盆栽園などで、シャリやジン、雑木の幹などが白色になっているものを見たことがある方も多いと思いますが、あの白さは石灰硫黄合剤によるものです。
では、なぜ冬季だけなのか?
問題は倍率にあります。
市販されている薬剤は大方の場合は1000倍~2000倍で使用しますが、冬季の石灰硫黄合剤に関しては50倍やそれ以下で使用する為に薬害が起きない冬に行うのです。
石灰硫黄合剤も1000倍で使う分には年中使用可能ですが、より高い効果を得る為に倍率を下げられる時期(気温が低く、樹が休眠している)に使用しています。
冬季にしっかりと消毒を行う事で、春からの病気に発症率はかなり低くなります。また、浸透性が高い薬剤なので害虫の卵などにも効果があり、病害虫ともに有効です。

盆栽に関しては石灰硫黄合剤を塗った後のあの白さも重要で、ジンやシャリと水吸いとの対比を明確にすることができ、より神秘性が増します。(倍率が低いとより白くなります)

乾くと白く変わります。
ちなみに、数年前から石灰硫黄合剤は農家など生産者向けの10Lサイズからのみの販売となっており、個人では購入しづらいのが現状です。
しかし、とても重宝する薬剤なのでおすすめです。
※石灰硫黄合剤が手に入らない場合でも、その他の薬剤で冬季消毒は行っておくと春以降の病害虫予防になりますので、是非行って下さい。