-
ロウバイの花
とにかく好きな花
蝋梅は質感、香りと素晴らしく、この季節を代表する花木です。
毎年ワクワクします。
蝋梅のもともとの原種は花の中心が紫色で、現在流通しいるものでは花のすべてが黄色いソシンロウバイと花の中心部が紫色の満月ロウバイがあります。
満月ロウバイは花弁が大きく丸みがあり、黄色が濃いのが特徴で、花の中心の紫色が輪のように見える事から満月と名付けられたのですが、最近では満月ロウバイでも黄色のみのタイプが多く、定義は曖昧です。
むしろ、昔は満月ロウバイもソシンロウバイからの抜粋でしたので、黄色単色を指していた時期もあるようです。
どちらにしてもきれいです。
-
小さくても
真柏の楽しさは小品盆栽でも舎利や神を作れることです。
この樹は盆栽として少なくとも15年は鉢で管理されていたものですが、
ほとんど植え替えていなかった為、非常に小さくまとまっています。
枯れ枝や不要枝をシャリやジンとして活かすことで、小さいながらに盆栽としての風格が少し増しました。
芯が硬い為、小さなジンも折れにくく、管理次第で長く維持できます。
あとは葉をしっかりと作ってい行くのみです。
-
舎利と神
盆栽で松に劣らぬ人気があるのが、真柏です。
真柏の一番の魅力は何といっても枯れて白骨化した様に見えるシャリとジンです。
シャリは「舎利」と書きますが、おそらく仏舎利が由来と思われます。
ジンは「神」です。
舎利は幹の部分を指し、神は枝を指します。
真柏は正式には深山柏槇の事を指し、深い山の岩場や崖などに自生しています。
その為、風雪や雪崩などで枝が折れたり、樹皮が削り取られたりしながらも必死に生きています。
その厳しい環境で生育する事により、成長が遅くなり、結果年輪が細かく、硬い木質となります。
木質部が硬い為に枯れ枝が朽ちずに残ります。
その自然の姿を盆栽で再現しているのが舎利や神なのです。
真柏の中でも、細かい葉性と鮮やかな緑の葉と持つ新潟の糸魚川真柏は大変人気があります。
その他には紀州真柏や東北真柏などがあります。
厳密に違いますが、よく生垣に使われているカイズカイブキも大まかにはシンパクの仲間です。
舎利や神はシンパクだけでなく、松や一位などでもよく見られます。
盆栽界では松や真柏、ヒノキや杉、杜松や一位などの裸子植物の針葉樹の事を松柏盆栽と呼びます。
-
樹それぞれの魅力
錦松という松があります。
黒松の変種とされている松ですが、樹皮の膨張が特徴的で他の松とは違う凄みがあります。
盆栽の重要なポイントである幹肌の荒れ方が著しく、古さや厳しさを感じさせてくれます。
その荒々しい幹とは裏腹に樹の芯は非常に細く折れやすいので、取り扱いに注意が必要です。
針金掛けは枝先を調整する程度に止めます。
元々の正面です。
上の写真のように角度を変える事で、奥行き感とまとまりが出てきています。
さらに幹の太さと枝の張りのバランスも良く見える角度です。
錦松のようにあまり針金掛けが出来ない樹の場合は植え替えの角度によって、最大限の魅力を引き出すようにしてあげたいです。
もちろん植え替えは3月まで待って行います。
樹の負担が一番少ない時期にしっかりと根を整理しながら、いい用土で植える事が大切です。
春に焦らないように今のうちから考えておきます。
-
時間
盆栽はサイズが小さくても以外と年数が経っている樹が多い。
むしろ盆栽は小さく維持する技術とも言える訳で、国風展に出品されている小品盆栽などは何十年という時間と細やかな技術と職人の情熱の集大成という感じですね。
小さい分、緻密さが求められるので、大品盆栽とは違った見方が必要かもしれません。
こんな小さな黒松でも苗木で仕入れてから、3年以上は芽切りしたり、針金掛けたりして作っています。
芽の数は上手く行って一年で倍。
樹勢次第ではほとんど増えない。
(芽切りをしないので「増やさない」が正解かな)
この樹は比較的しっかり生育しているので、見ていて楽しい。