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ローズマリーも盆栽になるのか
これはローズマリーの「ダンシングウォーター」という匍匐(ほふく)性の品種です。
一般的にローズマリーはハーブや庭木として植えられていますが、ローズマリーも古木となるとなかなかの凄みを持ついい樹なのです。
写真はまだまだかわいい苗木ですが、盆栽としての管理で作る事は可能です。
ローズマリーを松と同じ樹形にする必要はありませんが、樹の持つ味を活かしながら、それぞれの生育に応じて作って行くのが盆栽です。
この品種は葉が小さく「ダンシング」という名前のとおり上下に枝を伸ばしながら伸びていきますので剪定次第で面白い樹形になります。
冬から春にかけて淡い青紫の花も咲かせてくれます。
ちなみに、他のローズマリー同様、剪定した枝はハーブとして利用できます。
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冬季の消毒
先日、盆栽の冬季作業で幹洗いについて書きましたが、今日は消毒についてです。
盆栽の消毒は春から秋に掛けて定期的に行いますが、寒い冬にしかできない消毒の方法があります。
それは石灰硫黄合剤による消毒です。
盆栽園などで、シャリやジン、雑木の幹などが白色になっているものを見たことがある方も多いと思いますが、あの白さは石灰硫黄合剤によるものです。
では、なぜ冬季だけなのか?
問題は倍率にあります。
市販されている薬剤は大方の場合は1000倍~2000倍で使用しますが、冬季の石灰硫黄合剤に関しては50倍やそれ以下で使用する為に薬害が起きない冬に行うのです。
石灰硫黄合剤も1000倍で使う分には年中使用可能ですが、より高い効果を得る為に倍率を下げられる時期(気温が低く、樹が休眠している)に使用しています。
冬季にしっかりと消毒を行う事で、春からの病気に発症率はかなり低くなります。また、浸透性が高い薬剤なので害虫の卵などにも効果があり、病害虫ともに有効です。
盆栽に関しては石灰硫黄合剤を塗った後のあの白さも重要で、ジンやシャリと水吸いとの対比を明確にすることができ、より神秘性が増します。(倍率が低いとより白くなります)
乾くと白く変わります。
ちなみに、数年前から石灰硫黄合剤は農家など生産者向けの10Lサイズからのみの販売となっており、個人では購入しづらいのが現状です。
しかし、とても重宝する薬剤なのでおすすめです。
※石灰硫黄合剤が手に入らない場合でも、その他の薬剤で冬季消毒は行っておくと春以降の病害虫予防になりますので、是非行って下さい。
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フウランとマメヅタ
シダはいろんな遊びができるから面白い
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冬季の作業 幹洗い
盆栽には年間を通してさまざまな作業がありますが、冬に行う作業の一つに「幹洗い」というものがあります。
その名の通り、盆栽の幹をきれいに洗うことです。
盆栽は基本的に屋外で管理していく為、雨や埃などで汚れたり、苔がむしてきたり、害虫の卵や菌が付着している場合もあるので、それを洗い取ります。
苔などは盆栽によっては風情に感じる場合もありますが、基本作業としてなるべく洗うことをお勧めします。
※松の古木などは除きます。
幹洗いをする事で病害虫予防になり、根張りの確認もできます。
春に植え替え予定の樹は必ず行いたいです。この幹洗いという作業を行うか行わないかで、製作者の盆栽への意識が伝わってくる気がしています。美しいものを作ろうとしっかりと人の意識が入った盆栽は醸し出す緊張感があります。
方法は大きい樹や数が多い場合は高圧噴霧器(弱)で洗います。
枝はなかなか折れませんが、芽が飛ぶことがあるので高圧では注意が必要です。
中品、小品サイズで数が少なければ、歯ブラシで洗うだけでも十分汚れを落とせます。
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常盤シノブ
シダ植物のトキワシノブです。
最近では吊りシノブとして夏場によく売られています。
風鈴が付いていたり、宝船のカタチが有ったりと人気です。シノブは夏だけ葉が展開するものと、冬も葉を付けたままの常緑のものがあります。その他には石化性や葉が八重のタイプ、西洋シノブと呼ばれる葉が薄く軽やかな夏緑性のタイプなど多数存在します。
着生シダの一種なので、ヘゴ板や流木などに付けると、より自然の趣が増します。
管理は非常に簡単で置き場は日陰で水を沢山あげる事がポイントですね。
東京では一年中屋外でも大丈夫です。春から夏にかけて、月に2回ほど液肥を与えると良く育ちます。
トキワシノブは緑が少ない冬場に室内を彩るのにもってこいです。