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もちこみ(持ち込み) 「姫砥草」
盆栽の用語で同じ鉢で植え替えをしないで長く育てることを指す「持ち込み」という言葉があります。
もしくは鉢上げしてからの年数を指す場合もあります。持ち込む事によって、大きい葉も小さくなり、草姿も小さくなってきます。
これは盆栽では非常に重要な性質である為、園芸のように大きめの鉢ではなく比較的小さい鉢に植える理由の一つです。
鉢の中に根が回り、いっぱいになると盛り上がるように鉢の上に出てくることもあります。
盆栽の種類にもよりますが、盛り上がったり、鉢からこぼれるといった状態もなかなか風情があるものです。根が回ったら、鉢から抜いて水盤などに飾る事もできます。
そうする事で苔が生していき、自然とコケ玉の様になります。
「根洗い」と呼ばれるコケ玉のもととなる飾り方、培養の仕方ですね。個人的な感覚としては、樹よりも、草物の方が持ち込む事で趣が出やすいと思います。
これは姫砥草ですが、まだ3年。
この鉢のままずっと管理可能で、どんどん上へ盛り上がってきます。
製作途中の樹はあまり長く持ち込みすぎると完成までに時間が掛かりますし、針金掛けなど改作による負担を補うだけの体力も付きにくいので、定期的にしっかりと植え替えした方がいいと思います
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植物のオブジェ
流木にシダを着生させてしています。
着生植物も色々な見せ方がありますが、これは石と流木を鉄棒で固定してオブジェのように飾れるようになっています。
ある程度は計算で作っていますが、ほとんどの部分は植物任せですので、年を追うごとに刻々と変化が楽しめます。
製作三年目に入っています。植物だけでなく、流木も石も鉄も日々変化して行きますので、植物の生命力と無機物の静かな動きを見つめるのも面白いです。