赤松 針金掛け その2
長い間、手入れされる事無く樹勢の衰えた樹は数多く存在します。
盆栽園にもありますし、園芸店にも愛好家のもとにも眠っています。
私の場合は完成木を仕入れる事は稀で、ほとんど荒木の状態から作り直すようにしています。
盆栽をこれから始めてみたいという方も、そういった樹から作ってみるのも楽しいと思います。
もちろん、あまり弱った樹はリスクがあるのでオススメしませんが、ただボサボサと伸び放題の樹は改作の楽しみを味わえると思います。
その為には色々と覚える事がありますが、それもまた面白いのです。
この赤松も樹勢の回復を待ってからの整姿作業です。
樹の状態にもよりますが、根詰まりした鉢から植え替えして、最低一年は養生期間が必要となります。
針金も掛けませんし、芽切りもしません。
樹の状態は葉の色や硬さ、芽の大きさで大体判断できます。
この樹も裏と表の区別はあまりしないで作っています。
枝数が少なく頭の向きも今後の生育次第で変わるからです。
こういった樹は色々な可能性を残しながら作る事が大切だと感じています。
盆栽としてたとえ欠点があっても、そこを見どころとして魅せられる様に作って行く事が盆栽に携わる者の使命ですね。