冬季の消毒
先日、盆栽の冬季作業で幹洗いについて書きましたが、今日は消毒についてです。
盆栽の消毒は春から秋に掛けて定期的に行いますが、寒い冬にしかできない消毒の方法があります。
それは石灰硫黄合剤による消毒です。
盆栽園などで、シャリやジン、雑木の幹などが白色になっているものを見たことがある方も多いと思いますが、あの白さは石灰硫黄合剤によるものです。
では、なぜ冬季だけなのか?
問題は倍率にあります。
市販されている薬剤は大方の場合は1000倍~2000倍で使用しますが、冬季の石灰硫黄合剤に関しては50倍やそれ以下で使用する為に薬害が起きない冬に行うのです。
石灰硫黄合剤も1000倍で使う分には年中使用可能ですが、より高い効果を得る為に倍率を下げられる時期(気温が低く、樹が休眠している)に使用しています。
冬季にしっかりと消毒を行う事で、春からの病気に発症率はかなり低くなります。また、浸透性が高い薬剤なので害虫の卵などにも効果があり、病害虫ともに有効です。
盆栽に関しては石灰硫黄合剤を塗った後のあの白さも重要で、ジンやシャリと水吸いとの対比を明確にすることができ、より神秘性が増します。(倍率が低いとより白くなります)
乾くと白く変わります。
ちなみに、数年前から石灰硫黄合剤は農家など生産者向けの10Lサイズからのみの販売となっており、個人では購入しづらいのが現状です。
しかし、とても重宝する薬剤なのでおすすめです。
※石灰硫黄合剤が手に入らない場合でも、その他の薬剤で冬季消毒は行っておくと春以降の病害虫予防になりますので、是非行って下さい。