葉水
今年の梅雨は長く、日照が少なかった為に植物の動きも例年と違い心配しましたが、やっと夏らしくなってきました。
夏はしっかりと日が差してもらわないと梅などの花芽分化や芽切りした松の生育に影響が出てしまいます。このまま暑い日が続くといいですね。
とはいえ、夏の暑さは度を超すと植物たちを弱らせる事にもなります。
夏の最優先事項は水やりですが、「葉水」も重要な効果があります。
葉水の一番重要な効果は植物の体温を下げる事です。
植物は体温を調節するために葉から水分を蒸散して温度を下げています。
(蒸散作用と言います)
水分は気化するときに気化熱と呼ばれるエネルギーが必要な為に、植物の温度を奪っています。
植物はこの蒸散作用によって体温を調節している訳ですが、蒸散が間に合わない夏場などは、高温で弱ってしまう植物が多いのです。
葉水は撒いた水が蒸散する事で、温度を下げる手助けとなります。
(打ち水と同じ効果です)
また夕方の葉水は昼間弱った植物の温度を直接的に下げるのでより効果的です。
他の効果としては、乾燥予防と汚れ落としです。
蝦夷松などの乾燥に弱い樹やシダや苔などは特に効果的です。
また道路の近くなど公害被害に遭いやすい環境では、葉水で汚れを洗い落す事で植物への影響を減らすことができます。
室内管理の観葉植物なども時々は外で葉水する事で葉が生き生きと元気になります。
それから、ハダニの駆除にも効果的です。
ハダニは乾燥を好むので、葉水(特に裏側)する事で駆除と予防になります。
< 注意 >
日中の葉水は蒸れの原因になりますので、早朝か夕方以降に行うようにしてください。過度な蒸れは乾燥とは違った病害虫の原因となります。