盆栽の仕事
現在、八百日の仕事は、伝統盆栽の創作よりもミニ盆栽や苔玉を含めた小品盆栽が大半。
特別なオーダーというのもまったく無いわけでは無いけど、季節のもの、すでにある組み合わせをベースにお客さんサイズに変更する、セミオーダーが多い。
今はインテリアとして植物を飾る事が普通の事になっているから、植物の提案などの問い合わせもあります。言ってしまえばグリーンコーディネイトですね。
盆栽は観葉植物のように室内に置き続けることはできないから、盆栽だけで空間を維持するのはちょっと大変。何種類かでのローテーションが基本の考え方になる。あとはシダ類や熱帯植物を上手く合わせていく事になる。本格盆栽の良さを知っている分、もっと伝えたい欲求は強いけど、これからかな。
盆栽は他の植物に比べて価格が高いものが多いけど、何十年も人から人へと引き継がれて来た、時間と技術を思うと納得もできるし、もっと色々な方に盆栽になるまでの経過を知って頂きたいと思う。
だからと言って「盆栽は高いものだから」、それだけで終わってしまうものを作った場合、お客さんに不誠実だし、次はまず期待できないと思う、それだけにいろんな情報を自分なりに整理し、時代にあった盆栽を提案しなければいけないと考えています。
たとえ数年間放置された古木や苗木でも年数が経っているものは良いものであると思う。でも、その素材だけに頼り過ぎてはだめで、いい素材だから、枝の配置や数、角度や向き、鉢合わせをより大切にしなくては、高価で貴重な樹をムダにしかねない。
盆栽をつくるからには選んだ素材の特徴を理解した上での、生育と見た目のよい物でなくてはいけないから、それは大変な責任を伴う作業でもある。
盆栽は人と時間を美しく刻んでいける物ならば言う事なし。
私はそんな風に盆栽を受け入れてくれる時代がすでに来ていると信じている。
だからこそ、この仕事をやっていけるのかもしれない。