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鉢植えと盆栽
園芸の仕事をしていると盆栽ってまだまだよく知られていないんだなという気がします。
現在では海外での流行から盆栽=ARTという認識が強くなっているかもしれませんが、盆栽と一般的な園芸の違いについてよく質問を受けます。
よくわからないけど盆栽は何か特別なんだろうと感じている方は多いと思いますので、
まず盆栽と園芸(鉢植え)との違いについて書いてみます。
一般的に園芸とは植物をそのまま育てて楽しむものです。
花を咲かせたり、実をならせたり、それを収穫して楽しんだり、あくまで自然のまま観賞するものと考えてよいと思います。
それに対して、
盆栽は花を咲かせ、実を成らせると同時に樹形をつくること、そして最終的に鑑賞することを目的としています。
その為に盆栽は人が手を掛けなくては絶対に作り上げられない植物の芸術なんだろうと私は感じています。
事実、すべての枝の芽の数にまで気を配り、土や根の状態、水や肥料の量や時期、置く環境など、ありとあらゆるところまで人の意識が注がれている事が必要不可欠です。
どれだけ盆栽を観察するかが一番重要かもしれません。
樹形をつくる為には針金掛けなどをして整姿していく必要があるのですが、まず大前提に樹が健康である事(これは盆栽でも園芸でも同じです)が前提となりますので、植物をよく見てしっかりと育てることが何よりも大切です。
どんな植物でも、どんな樹形でも、愛情を込めて日々手をかけ続けて行けば、植物は応えてくれるものです。また鑑賞者の視点から見ても人の意識の有無ははっきりと判るはずです。
すべてを完璧にやろうとすると疲れてしまいますので、ただただ育てるだけの草花も楽しみながら、盆栽や園芸を長く続けて頂けると嬉しいです。

写真はヤマコウバシです。
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盆栽の買い方
盆栽はどうやって買うのか?
今では百貨店や雑貨屋、園芸店などでも盆栽を扱っているお店は多いので、
ドキドキしながら盆栽園に入って購入するということは少ないかもしれませんね。
素材としての観点から見た時に、どこを見て良し悪しを判断したら良いのかというと案外難しいかもしれません。
一般的に樹木を買うときは幹が太くしっかりとして如何にも丈夫そうな物を選ぶのですが、
盆栽の素材となるともう少し細かく見る必要があります。
盆栽は育てながら樹形を「つくる」ものなので
下記もチェックしておくと良いと思います。
・根張り、幹筋、枝の出方
(雑木は落葉時期に購入した方が分かり易いですが、品種ものは葉を見た方がいい場合も有り)
・花や実もの盆栽は実際に色や形、サイズなど確認できる時期
・虫や病気に罹っていないもの(ウイルスやガンシュ病など治らない病気もあるので)
・大きなキズがあるものは避けた方が無難です。
・葉は健康のバロメーターですので、出来るだけ色が鮮やかで芽に勢いのある株を選びます。
・草ものについては、慣れるまでは芽が出ている物を選んだ方がいいです。
通常、購入後は早めに植え替えを行うのですが、真夏、真冬を避けます。
一番の適期は春ですので、それに合わせて素材も購入すると順調に育てることができます。
バラ科のみ秋に植え替えます。
ガンシュ病予防の為ですが、印象としてバラ科は病害虫に罹りやすいと思いますので
適切な消毒などが必要です。
販売しているお店によって強みとなる盆栽の種類や目的は違います。
伝統盆栽が欲しいのか、インテリアとして飾れる盆栽が欲しいのか、手を掛けてこれから作りこむ盆栽が欲しいのか、自分の目的に合ったお店を選ぶ事が大切です。
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盆栽の種類
いつかは盆栽をはじめてみたいと考えている方は沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
イメージなのか敷居が高いと感じて一歩が踏み出せないなんて方もいるかもしれませんね。
私個人の感覚では植物は育ててみるまでは理解できないと思っておりますので、
気になった植物はまず育ててみるようにしています。
まあ当然失敗もありますが、その分理解は深まります。
一つの失敗が違う種類の植物をはじめて育てる時の助けになる事も少なくありません。
では、いざ盆栽を買おうと思った時になにを基準に選べばいいのかということですが、
最初はどんな樹種を育ててみたいのかを考えるのも一つの方法です。
「 盆栽=松 」と思う方もいるかと思いますが、盆栽の樹種はものすごく沢山あるのです。
盆栽は色々な種類に分かれておりまして、盆栽業界では決まった名前があります。
松柏盆栽:松、真柏、杜松などの常緑針葉樹の盆栽
雑木盆栽:カエデ、モミジ、ケヤキなどの落葉広葉樹の盆栽
花物盆栽:梅、桜、藤、サツキなどの花を観賞する盆栽
実物盆栽:かりん、姫リンゴ、真弓などの実を観賞する盆栽
草物盆栽:主に山野草やシダ、苔を観賞する盆栽
その他には竹の盆栽や現代では熱帯植物の盆栽などジャンルは多岐に亘っているようです。
サイズによっても呼び方は変わります。
ざっくりと大品盆栽、中品盆栽、小品盆栽と別れています。
その他に小さいサイズは豆盆栽、ミニ盆栽など
呼び名はそれほど重要ではないのですが、種類もサイズも幅広く育てていくと楽しいと思います。
各盆栽については今後少しずつ説明していきます。

写真は姫リンゴです。
秋には真っ赤に熟します。実物盆栽はワクワク感がありますね。
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植物を遊ぶ
ヤオカプランツが一番やりたい事を最初に書いておきたいと思います。
植物は人の手が入っていなくてもすでに魅力的です。
ですが、そこにちょっとした遊び心を加えるとまた新しい表情を見せてくれます。盆栽では鉢合わせが非常に重要で、鉢が違うだけで樹の見え方が全く違います。
庭では木の配置、剪定の仕方で心地よさから、植物の生育まで全く違います。修行を始めた頃は、その違いに感動したものです。
盆栽や庭に限らず、観葉植物や草花の鉢植えでも山野草やランでも人の意識が加わるだけで新たな魅力に気づくことができます。
ヤオカプランツでは今後、盆栽やお庭を通してその「ちょっとした遊び心」を一緒に楽しんでいけるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。