寒樹 モミジ盆栽の落葉
盆栽の用語で雑木の落葉した姿を「寒樹」と呼びます。
雑木盆栽は葉の展開している時期に注目されがちですが、盆栽ではこの落葉した状態を最も重視して枝を作り込んでいきます。
葉の生命力や紅葉の色彩というものを取り除いた、骨格のようなモノですね。
その樹のありのままの姿が寒樹という訳です。
盆栽の展覧会が冬に開催されているのは、松の一番の鑑賞期という事もありますが、雑木盆栽の寒樹の時期でもあるからです。
このヤマモミジは五年程作り込んでいますが、やっと大まかな骨格が出来たところです。
今後、さらに細かい枝を増やし、細部の針金掛けをしていきます。
一本一本の枝を剪定と針金掛けで整姿し、数年間、芽切りや葉刈りを繰り返します。
この盆栽は寒樹を前提に樹作りをしているので、葉が展開している時期は葉に覆われた感じになりますが、細かい枝を作る為には仕方がありません。
葉物盆栽を作るときは寒樹として鑑賞する盆栽を作るのか、葉を鑑賞する盆栽を作るのかを考えておく必要があります。
葉を楽しむ場合はこれほど細かく枝を作る必要はありませんので、大らかな樹作りとなります。