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植物に必要な肥料の成分

以前、盆栽にとっての肥料の役割について書きましたが、

今回もう少し詳しく説明しておきます。

そもそも植物に必要な栄養素はどのくらいあるのかですが、

植物の生育には16種類の元素が必要と言われています。

1.空気や水から吸収するもの

  酸素 O、水素 H、炭素 C

2.肥料として与える必要があるもの
(1)植物が多量に必要とする、肥料の三大栄養素

・窒素 N

葉や茎の生育に必要(葉肥) 

不足すると葉の出が悪くなり、葉色が薄くなります。

特に下葉から黄変していきます。

多すぎると葉色は濃くなり、枝は徒長し病弱になります。

また、場合によっては根腐れします。

・リン酸 P

花、実つきを良くする(花肥)

不足すると花付きが悪くなります。

肥料過多による弊害は少ない。

・カリ K

根の発達と植物の抵抗力を高める(根肥)

肥料過多による弊害は少ないですが、Ca、Fe、Mnの吸収を妨げる。

(2)ある程度の施肥が必要な2次要素

・カルシウム Ca

根の発達や新芽の生育など植物体全体に必要

三大栄養素に次いで必要な成分で、不足すると下葉が枯れたりします。

酸性に偏りがちな土壌のpHを中性にする

・マグネシウム Mg:

リン酸分の吸収移動を助ける。葉色を良くする。

・イオウ S:

たんぱく質の元。根の発達を助ける。不足すると十分な生育が出来なくなる。

(3)わずかですが必要不可欠な微量要素

・鉄 Fe:

光合成作用の際に必要な成分(葉緑素を作るのに必要)

・マンガン Mn:

光合成作用の際に必要な成分で、不足すると葉が黄色くなる。

・ホウ素 B:

根の生育に必要。不足すると新芽が枯れたり、根の生育が悪くなります。

・亜鉛 Zn:

新芽の生育に必要。不足すると葉が小さくなったり変形する事がある。

・モリブデン Mo:

窒素の吸収に必要。不足すると葉が枯れるなど、窒素欠乏の症状がでる。

・銅 Cu:

葉緑素を作るのに必要。不足すると新芽が枯れる。

・塩素 Cl:

光合成作用の際に必要な成分。不足すると全体的に葉が枯れてくる事があります。

微量要素は自然界から吸収できるものがほとんどなので、あまり与える必要はありません。

ですが、土の量が限られている鉢植えの場合は微量要素が含まれた元肥などを用いると効果的です。

※植物の生長には、光と水と栄養素(16元素)が必要不可欠なのですが、必要とする要素のうち一つでも不足すると、ほかの要素をいくら万全に整えても上手く生育する事ができません。そのため、植物をしっかりと育てる為には欠乏・過剰症状を把握し、光と水と肥料をバランス良く管理していく必要があります。