盆栽は仰ぎ見る 「五葉松」
盆栽の鑑賞方法は下から仰ぎ見る事です。
自然の大木を鉢の中で表現する事を目指している盆栽は、小人になったつもりで下から見上げるとより盆栽の面白さに気づきます。
これは小さいですが、大きい盆栽は下に寝っ転がって見ると格別です。
また、マン盆栽のようにフィギュアを置いてみるのも楽しいと思います。
五葉松です。
植え替え、整姿前
これのサイズは高さ25cm弱なんですが、大木を表現する為には当然ながらサイズに合わせた葉の大きさが求められる訳です。
でなければ、全体のスケールと葉の大きさのズレが生じて違和感を感じてしまいます。
これは小品盆栽になればなるほど難しくなりますが、プロの盆栽家は技術と経験でうまい事やっています。だからこそプロなのですが。
で、五葉松は黒松のような芽切りはほとんどしませんので、基本的には水と肥料の管理で葉を短くしていきます。当然ですが、一年以上先を見据えての管理が必要です。
この盆栽はもう少し葉が短い方がいい気もしますが、そこは樹勢との相談になります。当然ですが、葉が大きい方が光合成作用は促されるので植物体に養分が蓄積されやすくなります。
すべての手入れに共通して言える事は、最優先事項は樹に負担を掛け過ぎないという事です。
盆栽は植え替えや針金掛けなど、比較的厳しい条件で管理や手入れをすることになりますので、樹や手入れの種類によっては一年待つ気持ちが非常に大切かもしれませんね。
すこし年数は掛かりますが、少しずつ樹が良くなっていくのを見ていると盆栽をやっていて良かったなって思います。
ボーと眺めている時間が一番贅沢ですね。