盆栽の用土の構造について
盆栽でも園芸でも農業でも土作りが最も重要です。
植物にとって土とはなんでしょうか?
簡単に言ってしまえば、大地そのものです。
土の最も重要な役割は植物を支える事です。
土は大小さまざまな粒子の集合体で出来ています。
その為、大きい粒子と小さい粒子が集まる際に隙間が生まれる訳ですが、その隙間が非常に重要な意味を持っています。
隙間がある事によって、土に空気と水、肥料を保つ事ができます。
そして、空気や水を求めて根が伸びてくるのです。
この大小の粒子によって生まれる隙間がある状態を団粒構造と呼びます。
鉢植えでは非常に大切な事です。
この団粒構造を作る為に、鉢の用土は鉢底石、中粒、小粒、極小粒などを使い分けます。
さらに、使用する時は必ずフルイにかけて微塵を取り除く必要があります。
これはせっかくできた団粒構造の隙間に微塵が溜まり、空気の入れ替えや水はけが悪くなるのを防ぐ為です。
しかし、同じ鉢で長い期間持ち込んでいると、毎日の水やりや伸びる根に潰される事によって、この団粒構造が崩れてしまいます。
その結果、水が浸透しなかったり、水はけが悪くなったり、根腐れの原因となります。
地植えなどでは腐葉土を混ぜる事によって改良できるのですが、盆栽では話が違います。
盆栽の場合は植え替えをします。
土を入れ替える必要があります。
※植え替えの一番の目的は根の伸びるスペースを作る為なので、根詰まりした時に一緒に土を変えるのが一般的です。
※盆栽では根張りを作る為や角度の調整や鉢変えなど見た目の為に植え替えする事もあります。
そもそも盆栽の用土は非常に水はけを良くする必要がありますので、土は固めの物を使います。
盆栽の主要な用土は硬質の赤玉土や鹿沼土です。
さらに、松柏類では水はけを良くする為に砂を使う事もあります。
ただし、砂を使うときは必ず角ばったものでなければいけません。
砂なら何でも水はけが良くなる訳ではありませんの注意が必要です。
熱帯魚用に市販されている砂などは、非常に硬質で水や空気を含みにくく、さらに粒子が丸い為、団粒構造になり難く不向きです。(化粧砂には使えます)
盆栽用や山野草用で市販されている物なら大体大丈夫ですが、桐生砂や富士砂、一部の川砂など角があり、多孔質なものが良いです。
それから一番大切な事は、ご自身の環境にあった用土の配合を見つける事です。
本の内容は参考にはなりますが、気候も日照条件も水やりの頻度も違う訳ですから、自分自身がまとめて管理し易い配合を頑張って見つけて下さい。
ちなみに私は、硬質赤玉土と桐生砂、富士砂しか使っていません。
植物の種類によって鹿沼土や腐葉土や竹炭などを混ぜる場合もありますが稀です。
乾きの調整は粒子のサイズと鉢の種類によっても変わるので、用土はできるだけシンプルにするのが良いと思います。排水性と保水性があれば。